【BOYISM DISC GUIDE 】The Stone Roses - The Stone Roses(1989)
" I Wanna Be Adored "
「憧れられたい」
少年が思春期に最初に抱く欲望を一行で表し、
最初の曲としたのはThe Stone Rosesの最初の作品であり歴史的名盤である。
また、個人的にはボーイズカルチャーの金字塔的作品だと考えている。
アルバムを通して芯はあるものの浮遊感を漂わせる楽曲たちや、
イアン・ブラウンのイマイチ大人になりきれない歌声からも
若者の持つ瑞々しさ、荒削りだけど繊細な感性がある。
楽曲とともに特筆したいのは彼らのファッションだ。
ブカブカのTシャツにadidasのスニーカーにバケットハット。
そう、ストリートにいそうなその辺のにいちゃんの格好なのだ。
「ステージ衣装なんていらない。普段着でいいじゃんよ。」
おそらくそういうことだろう。
80年代においては全世界的に、
衣装を着飾りステージをド派手に彩るアーティストが席巻した。
The Stone Rosesはそんなステージを一気にカジュアルダウンさせた。
着飾る必要なんてない。
普段着のままの俺たちで、等身大の俺たちを歌えばいいんだ。
そんな彼らのスタイルは90年代に爆発的なブームとなる、
OasisやBlurといったブリットポップ勢のバンドに大きな影響を与えることとなる。
ちなみに日本でも1990年前後の同時代に、
当時「女版宝塚」とも言われきらびやかで「王子様」なイメージだったジャニーズをカジュアルダウンさせ、後に日本のエンタメ界の歴史に名を残すグループが登場する。
それがSMAPだ。
これについてはいずれ書く。
エヴァーグリーンな世界を描いたこの歴史的名盤を、
「男の子らしさ」を探求するこのブログに付き合って頂くにあたりまず初めに聞いて欲しい。